専門性を活かした内科医コミュニティを運営! Dr. KOTATSU先生

独自のキャリアを突き進む医師にインタビューする企画『わたしのキャリア戦略』。今回は糖尿病・内分泌専門医で内科医コミュニティを運営されているDr.KOTATSU先生にお話を伺いました。企業のヘルステックコンサルタントとしての活動や医療ライティングの仕事もされているKOTATSU先生。専門性を武器にしたコミュニティの作り方は、勤務医をしながらでも参考になるところが大変多かったので、ぜひ最後までお読みください!


Dr. KOTATSU

糖尿病専門医・内分泌専門医。1,000人以上の内科専門医、250人以上の内分泌専門医/糖尿病専門医のLINEグループを運営。大手出版社で著書複数、大手医療メディア(m3、日経など)連載、ヘルステック企業と提携して事業開発も行う。


先生は「あざらしライティング塾」というコミュニティに所属していると聞きました。初めにこれについて詳しく教えていただけますか?

あざらしライティング塾は、ヘルスケア事業を行う企業向けに記事の納品を行う編集プロダクションです。現在、約300名の会員がいて、医師は200人ほど在籍しています。普通のライティング案件だと、クラウドワークスやランサーズとかで単発の記事での受注のことが多いですが、あざらしライティング塾の場合、依頼された企業に独自のご提案をしています。例えば、一記事だけご提案された企業の場合、「この記事が必要だということは、読者はさらにこういう記事も求めているんじゃないですか?その記事を一つ一つ外注するのは大変だから、私たちならまとめて受注させていただきますよ」と言った形で営業を行っています。時には、M3編集部の方を外部講師としてお招きして勉強会を開催したりもしています。オフ会とかも結構頻繁にやったりしていますね。会費は毎月2300円くらいなので、他のライティングコミュニティとかと比べるとかなり安いのではないかと思います。

医師が自ら営業をかけて受注していくスタイルなところが面白いですね。営業はどのようにやっているのか、具体的に教えていただけますか。

色々なヘルスケアの監修案件をいただくのですが、やっぱり臨床現場に出ていない企業の方の企画だから、結構ズレてるなと感じることが多いんです。そこで、企画をこのように変えるといいですよとアドバイスすると、企業の方が喜んでくれて、話が盛り上がったら別の企画がまた生まれてという感じです。それと、いわゆるドブ板営業もしています。企業の方の勤務時間はホワイト企業だと10~16時とかなんですけど、日中働いている勤務医が営業できるのは夜遅くとかになってしまいます。そこで、SNSのDMにメッセージを送ってみたり、土日はヘルステックのイベントに出て交流を増やしたりしています。Xでは企業アカウントの発信にリプで絡みに行ったりもしていますね。ナンパ的な要素があると思います(笑)。

かなり地道に活動されているんですね。これまでの営業で面白いエピソードはありますか。

病院で働いていると、製薬会社の説明会がありますよね。MRさんがきてお弁当がもらえたり、偉い先生の講演を聞いた後にその後交流会で、ホテルでタダ飯を食べたりするやつです。そういう場だと、普通製薬企業の方が医師に名刺を渡すのが一般的だと思うんですけど、私の場合は「ヘルステックアドバイザー」という肩書きの入った名刺を持って逆営業しています。製薬会社の方も時に戸惑って、周りの医師からもたまに白い目で見られますが、これが案外効果がありますね。

それは初めて聞きました。次に、先生が運営されている総合内科専門医のコミュニティについて詳しく教えてください。

LINEのオープンチャットを使って、総合内科専門医を取得したい人向けの勉強コミュニティを運営しています。最近では医局制度も破綻してしまっており、先輩から専門医試験の過去問をもらったり、試験の情報を集められなかったりするので、そういう医師のためのコミュニティです。これまでの過去問の情報などから新しい予想問題を作成したり、これから試験を受ける人向けに重要な情報など提供しています。内科医を中心に、現在約1,200人くらいの医師が集まっています。

1,200人はすごいですね。

これだけの会員が所属していることもあって、製薬会社の講演会で出席する医師の人数が足りない時に、案内を流してほしいなどの依頼は時々きますね。僕のいちばんの強みは、糖尿病専門医・内分泌専門医であることだと思っています。糖尿病の専門医試験は、内科の中でもかなり難しい試験なんです。糖尿病専門医を持っていると、開業した時に毎月患者さんが受診してくれることもあり、集客性も高いです。なので、最近だと循環器の先生だったり、外科の先生だったり、他の内科系の先生が開業するときに糖尿病専門医を取得する人が増えていますね。

糖尿病専門医のコミュニティも運営されていると聞きました。作り始めたきっかけはなんだったのでしょうか。

僕がまだX(当時はTwitter)を始めたばかりの頃に、専門医むけの問題集みたいなのを自作したことがあって。僕、結構問題集を作って復習するのが好きだったんですよね。それで、特に誰かに望まれていたわけでもないけれど、糖尿病の問題集を作ろうと思って自分のためにやってたんですよね。そしたらある時、Xで、これから糖尿病専門の問題集を公開する予定とかありますかって聞いてきた方がいて、最初その人だけのためにオープンチャット作ってやってたんですけど、口コミで広まって糖尿病専門医を目指したい人たちが勝手に集まってきて、糖尿病コミュニティの方も現在300人くらいになりました。このコミュニティに関しては日本最大規模で、コミュニティを作る参入障壁も高すぎて、専門医取るのに興味ある人しか入って来ないんですよね。この活動がきっかけで、就職活動のお手伝いだったり、出版社からの出版の話も出てきております。

糖尿病専門医はもちろん、各専門医を目指す内科医師のみのグループ運営も無償でさせていただいております。ご希望のお知り合いの方がいらしたらぜひお声がけくださいませ。

【各専門医コミュニティチャットQRコード】

オープンチャット「総合内科専門医(新内科専門医)勉強会」 1171人

オープンチャット「内分泌・糖尿病領域&内分泌専門医&甲状腺専門医勉強会」355人

オープンチャット「糖尿病専門医勉強会( JDW : Japan  Diabetologist Workshop)」295人

オープンチャット「開業医勉強会」30人

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