Xフォロワー5万人の医師が教える、匿名でできるSNS活用術!(2/3回)


Xフォロワー数約5万人を誇るインフルエンサー「ドクターK先生」に、医師が匿名でもできるSNS活用術について教えていただく企画。第1回では、SNSアカウントの立ち上げ時期に注意するべきことについて教えていただきました。第2回は『フォロワー数の増やし方とその秘訣』についてです。
この記事を読むと、忙しい中でも無理せずフォロワーを増やしたり、フォロワーを増やす上での躓くべきポイントがわかります。ぜひ最後までお読みください!



ドクターK@眼科医パパ


眼科専門医兼医療ライター。眼科情報サイト『オンライン眼科』の記事執筆、運営。現在、m3や日経メディカルなど各種メディアで啓発活動のための記事作成、講演会などを行っている。


初期の戦略

SNSを運用し始めた当初、最も重要だったのは「誰に向けて発信するか」を明確にすることでした。最初は主に眼科医を始めとする、眼科の医療従事者や目の病気に関心のある一般の人々をターゲットに設定しました。

そのため、ブログで作成した記事の宣伝だけでなく、教育的な要素を含めた医療情報や、日々の診療で得られた知見をシェアしました。

例えば、白内障や緑内障など有名な病気だけでなく、角膜変性や眼瞼腫瘍など、普通のブログ記事では扱わない内容も解説しました。

少し専門的な話をすると、ブログ運営においてよく扱われる疾患の記事の作成も重要ですが、調べる人は調べるけどメジャーではないキーワード(ロングテール)を扱うことが意外と重要です。

メジャーなキーワードの疾患は有名サイトが扱ってしまえば、すぐに上位を奪われてしまいます。しかし、マイナーな疾患であれば、扱うことは少ないため、マイナー疾患の記事作成は個人運営のブログ運用においては必須です。

このようなことを利用し、少しずつブログとxのフォロワーを増やしていくことにしました。

フォロワーを増やすためのテクニック

フォロワーを増やすためには、単にコンテンツを発信するだけでは不十分です。また、巷で行われている相互フォローなどの小手先のテクニックは短期的には有用ですが、長期的には不要、もしくは悪影響と考えています。

理由は「自分のアカウントに興味がない人が増える」だけだからです。興味がない人からはコメントは来ませんし、そういうアカウントを継続する方も少ないです。

そこで、私が重視しているのは「コメント」と「継続」でした。SNSは双方向のコミュニケーションができるツールであり、フォロワーと積極的に関わることがフォロワー増加に繋がります。

実際に、Xのポストはコメントや引用リツイート、DMでのやり取りを総合して、ポストが評価され表示されるようになります。

そして、僕はほとんど毎日投稿しています。もちろん、Xを見れない日もありますが、そんな日があれば予約投稿をしておきます。毎日のように投稿すると、たとえ同じ投稿をしていても、大きな反応が得られます。

始めはネタに困るかもしれませんが、自分の記事やサービス、興味ある論文のURLと一言コメントだけでも構いません。その中で余裕があれば長めの文章でポストをする。

この繰り返しが重要です。

成功の鍵

フォロワーを増やすための成功の鍵は、一貫性と稀少性、そして継続です。どれが欠けてもフォロワーは増えませんし、フォロワーが増えても、良いアカウントとは認識されにくいです。

まず、一貫性のある発信は、フォロワーに対して安心感、信頼を与えます。どういうことかと言うと、一貫性のある発信は「〇〇の情報はこの人を見れば良い」という信頼に繋がるということです。

僕は眼科医なので、目の病気に関することを中心に呟きます。それを何ヶ月、何年も続けていると、ありがたいことに目の情報発信といえば僕、という認識に繋がってきています。

また、自分のアカウントを説明する時にも、「目の病気に関する啓発活動をしています」と端的に説明できるので、自己紹介にも困りませんし、企業とのやり取りもスムーズです。

もちろん、目の病気とは関係のないことを呟くこともありますが、割合としては5〜10%未満にするようにしています。また、最初は感じませんが、フォロワーが増えてくると、主軸のポストに対して、関係のないポストは相対的に反応が下がります。

好きで呟くのは良いと思いますが、戦略的には良いとは言えないのは明らかです。

次に、稀少性についてです。稀少性と言うと、特別な資格や技術、知名度などを想像してしまう人が多いですが、医師免許がある皆さんであれば、それだけで十分です。加えて起業家であったり、他の技能があれば十二分です。

この稀少性はポストだけでなく、プロフィールなどにも全面に出していきましょう。医療という狭い世界で生きているので、自分たちの稀少性に気付かない方もいますが、医学生、研修医でも十分です。

その期間に属するのは一時的であり、その方たちの考えや意見、学んだことはとても貴重なポストになります。

最後に、これが最も大事ですが、とにかく継続することです。もちろん、毎日投稿する必要はありませんが、時間があれば5分でいいので、何かポストしてください。

最初は「こんなことに時間をかけられない」と思う人もいますが、続けていると自然と「今日は何をポストしよう」とマインドが変わります。

苦労とその乗り越え方

もちろん、フォロワーを増やすことは成功したわけではありません。時にはフォロワー数が停滞することもあり、その時には新しいアプローチを試す必要がありました。

例えば、既存のフォロワー以外の興味関心に合わせてコンテンツの内容を微調整したり、投稿のタイミングを工夫することで、新しいフォロワー層の獲得に努めました。

具体的には、僕ではないインフルエンサーの方がバズらせた投稿の型を真似して、それを目の病気に関連させる。あるいは、属性の異なるインフルエンサーの方にポスト拡散をしていただけないか、直接ダイレクトメッセージを送ったりしたこともありました。

そして、フォロワーが増えると批判や否定的なコメントもでてきます。こうしたコメントに対しては、できるだけ感情的にならず、冷静に事実に基づいた説明を行うことで、信頼性を損なわないように努めました。

SNSで建設的な議論をするのは難しい場面も少なくないですが、議論ができないなと思ったら「申し訳ありません。これ以上の議論は難しいです。何かあれば直接メッセージをください」としてください。ほとんどの場合は返事が来ません。

このような苦労はありますが、慣れてくれば乗り越え方も簡単に見つかってきます。苦労を懸念して立ち止まらず、とにかくやってみるの精神が新たな道を切り開いてくれると思います。
(第3回へ続く)

関連記事

保護中: ヒアルロン酸注入 ハンズオンセミナー

保護中: ヒアルロン酸注入 ハンズオンセミナー

2024年9月29日

北村健先生の「臨床医のための生成AI活用講座」(後編)

北村健先生の「臨床医のための生成AI活用講座」(後編)

2024年8月31日

北村健先生の「臨床医のための生成AI活用講座」(前編)

北村健先生の「臨床医のための生成AI活用講座」(前編)

2024年8月31日

人気記事

保険・自由診療で痩身診療に挑む:精神科・美容外科 湯地義啓先生(前編)

保険・自由診療で痩身診療に挑む:精神科・美容外科 湯地義啓先生(前編)

2024年8月4日

保険・自由診療で痩身診療に挑む:精神科・美容外科 湯地義啓先生(後編)

保険・自由診療で痩身診療に挑む:精神科・美容外科 湯地義啓先生(後編)

2024年8月4日

保護中: ヒアルロン酸注入 ハンズオンセミナー

保護中: ヒアルロン酸注入 ハンズオンセミナー

2024年9月29日

おすすめ記事

×